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介護士の退職理由ランキング|退職した介護士30人へアンケート
介護士を退職した経験のある方30人を対象に、アンケートを実施しました。アンケート内容は、次の2点です。
- 介護士を退職した理由を、具体的なエピソードなども交えながら教えてください。
- 介護士で退職しようか悩んでいる方に向けて、一番伝えたいことを教えてください。
介護士を退職しようか悩んでいる方は、退職を決断する後押しになる内容になっていますので、是非最後までご覧ください。
アンケート概要
- 質問内容:
① 介護士を退職した理由を、具体的なエピソードなども交えながら教えてください。
② 介護士で退職しようか悩んでいる方に向けて、一番伝えたいことを教えてください。 - 調査対象:介護士を退職した経験のある方30名
- 調査地域:全国
- 調査期間:2021年10月21日~2021年10月25日
- 調査方法:インターネット調査
介護士30人の退職理由ランキング
今回アンケートにご協力いただいた介護士30名の方の退職理由ランキングと具体的な退職理由をご紹介します。
退職理由を9種類に分け、具体的なエピソードとともにご紹介します。
現在退職を悩んでいる介護士の方は、同じような状況として当てはまるエピソードもあるのではないでしょうか。
【介護士30人の退職理由ランキング】
- 1位:結婚・妊娠・出産等により、家庭との両立が難しくなった(30人中6人)
- 2位:業務過多によるうつ・体調不良(30人中5人)
- 3位:腰痛など、身体上の体調不良(30人中4人)
- 4位:会社への不信感(30人中3人)
- 5位:給料が低すぎる(30人中3人)
- 6位:介護の仕事内容が合わなかった(30人中2人)
- 7位:職場の人間関係(30人中2人)
- 8位:他の仕事への興味(30人中1人)
- その他(30人中4人)
介護士30人の具体的な退職理由
1位:結婚・妊娠・出産等により、家庭との両立が難しくなった(30人中6人)
- 結婚し、職場が遠くなり通勤が大変になったのと、妊娠したのでなかなか仕事を続けるのが難しくなったこと、産後、赤ちゃんを連れて出勤するのが難しいと思ったため
- 出産し、子育てのため遅番・早番勤務や夜勤業務ができなくなったためです。体力的な問題に加え、日勤帯以外の時間の託児先がなかったため断念しました。
- 妊娠が発覚し、それに伴い出産後は茨城から岐阜へ引っ越すことが決まっていたからです。ずっと辞めたくて仕方なかったので、ぶっちゃけラッキーくらいに思っていました…(汗)
- 1人目の子供を出産後は復職したのですが、2人目を妊娠してから体調が優れないことが多く、体力的なことも考えて退職しました。
- 訪問介護から始め、ケアホーム、有料老人ホーム、ショートステイ、グループホームと、12年程勤めて来ました。32歳で退職した主な理由は妊娠でした。介護は体力、気力共に使う職業なので仕事の継続は困難だと判断しました。それ以前の退職理由は、給料面や上司からのセクハラ、嫌がらせでした。
- 妊娠をして、結婚の為引っ越しをするのに、就職していた施設から遠くなる為、仕事を退職せざるを得なかったため。
2位:業務過多によるうつ・体調不良(30人中5人)
- 休日であった予定を返上して出勤にするのは当たり前のような日々でしたし、このままでは精神的におかしくなると思ったからです。
- 介護以外の仕事の負担が大きかった。さまざまな委員会の仕事をさせられ、休日出勤は当たり前、もちろん休日出勤は無報酬、夜勤明けでそのまま日勤をさせられることもあり、体力精神面でも疲れ果てたため退職した。退職するのも私の根性が足りないからだと怒られて辞めるまで3ヶ月ほどかかった。
- 9時~18時の契約なのに8時に出勤させられ毎日1時間のサービス残業をさせられ昼休憩中も何度も仕事の話をしてきて早くやってねと言われほとんど休憩が取れない会社だったから。
- 前日夕方~翌朝9時以降までの、17時間以上拘束の夜勤勤務が月に7回以上あったことから、体調を崩し、退職しました。
- 慢性的な人手不足により鬱状態になった。集客して売り上げを上げても褒めてくれることすらなくもっともっとと求められた。
3位:腰痛など、身体上の体調不良(30人中4人)
- 中途採用で入職しましたが、20代で若いから介護職が務まる訳ではない、運転に支障が出るくらい身体全体が痛くなりました。
- もともと腰痛持ちだったのですが、腰痛ベルトをしていても仕事に支障が出るほど痛みが強くなったので、これからの人生の方が長いことを考え退職しました。
- 残業が長いことがありました。日々の仕事で特に腰を酷使します。これによって余計に日々の仕事がきつく、家に帰っても回復がおいつかない状態です。こうも忙しいと無理でやめたくなりました。
- 寝たきりの入居者さんのお世話をしている時に腰を痛めてしまい、そこから1週間ほど動けなくなってしまいました。その時に子供の手伝いや家の事ができなくなってしまい、とても辛く感じました。これからの事を考えた時に家族のためにも元気で健康でいたいため退職を決めました。
4位:会社への不信感(30人中3人)
- 忙しさと、利用者との関わり、先輩職員との関係の悪さからうつ病になり、それを上司に報告したところ「気のせいじゃない?」といわれました。その他、喀痰吸引も資格がないのにさせられ、その件も質問すると、「他のところもやっているから」で流されました。職員による利用者への虐待行為も施設内でうやむやにしており、全体的に不信感が募っての退職でした。
- 女性ケアマネージャーによる社内不倫を、管理者は見て見ぬふりをしていました。多数の職員からの報告があったにも関わらず、管理者は仕事ができるからとお咎めなしでした。手を抜いているスタッフへは注意をせず、ミスをしたスタッフへは厳しい。主任という役職に就かせてもらい、意見を何度もしましたが変わる様子がないので退職を決めました。
- 自分に合わないと感じたし勤め先のやり方に疑問を感じてしまい辞めた。職員の理不尽がどうしても許せなく、何かあると人のせいにする所が嫌になった。
5位:給料が低すぎる(30人中3人)
- 求人情報に書かれている給料とは全く違いました。夜勤の回数により変動するのはわかりますがあまりにも違いすぎました。人間関係もあまりよくなかったので転職することにしました。
- 給与があまりにも低くて生活が苦しい上に、体力・精神的にもかなりきつくて続けられないと思ったからです。
- 介護福祉士の資格を取りましたが、ブラックな施設にいると資格手当すらつけてくれない所もあります。私が勤めていた施設はバイトには資格手当、運転手当、残業手当、処遇改算手当もつきません。
6位:介護の仕事内容が合わなかった(30人中2人)
- 面接で高齢者のオムツ交換などできるかと聞かれ、できますと勢いで言ってしまったものの実際にはキツく、体力もかなり消耗するお仕事でした。同じ歳の友達は平気と言っていたので人それぞれの考え方があると思いますが、私には合わなくて退職しました。
- デイサービスで1年間働いていましたが、排泄処理が苦手だったのと、特殊な利用者様の対応が苦手だったのでこのまま働いてなにか起こす前に辞めました。
7位:職場の人間関係(30人中2人)
- 施設長が若い経験浅い人に替わった時に、ケアマネの態度が急変して威張りだし、すべての権限を自分に持っていく様なシステムに替えて行ったため、施設の雰囲気がガラッと変わってしまった。
- 経営者と意見が合わずギクシャクしてしまった。不妊治療の通院のためシフトに融通を効かせてくれていたが、それも疲れてしまった。
8位:他の仕事への興味(30人中1人)
- 高校を卒業してから3年以上ずっと同じ場所で働いていたので違う場所で新しい体験をしたくなったからです。夜勤で悲しい思いをした事もあってその職場に居るのが辛くなったからです。
その他(30人中4人)
- 元々大人数のオフィスワークが苦手で、1対1の訪問介護をしておりました。コロナ禍で人手不足となり、大人数の職場への移転となりまして、やはり自分には人目が多数ある職場は向いていないと思いました。
- グループ内の人事異動で通所から特養へ異動になり、入社当時の希望勤務形態と合わなくなりました。また、慣れない業務内容や勤務形態、職場環境の変化にストレスを感じ、体調を崩したために退職を決めました。
- 泣きながら介護をしている職員がいるため、「どうしたの?」と聞くと、「親にしてやれなかったことを後悔していると」と答えた、それを聞いて、他人の介護をしている場合でないと思い、帰郷をするために介護の仕事を辞めました。
- 訪問介護をしていた時に担当の方が自宅で亡くなっていて訪問時に発見してしまいショックで介護職を出来なくなりました。
退職した介護士30人が、退職を悩んでいる介護士へ1番伝えたいこと
続いて、退職を経験した介護士から、退職を悩んでいる介護士へ1番伝えたいことを聞き取りましたので、ご紹介いたします。
退職は大きな決断ですが、悩んでいるならば退職するのも悪くないと思える内容です。
回答は5種類に分けてご紹介します。
仕事よりも、自分の心身の身体を大切に(30人中13人)
- 介護はやりがいを感じますが、お給料は低く仕事に見合っていません。身体への負担も大きいです。他人を介護できるのは素晴らしいことだと思います。でも、自分の身体を1番大切にしてほしいです。
- 自分自身の気持ちと体力的な面で、これ以上続けていたら、生活に支障がきたしそうなくらいならぜひ辞めてください。
- 誰かのために働くということは大切なことですが、自分の健康が最も大切なので、しっかりと向き合ってください。
- 無理なら無理。仕方ない。自分の心身を優先にしてください。
- 本人さんの為に頑張っているという考えはやめ無理をせず自分のやりたいようにしてください
- 自分の身体が一番大切です。人手不足の職場では引き止めにあうでしょうが、体調不良が続いている方は、退職をおすすめします。
- 仕事の中で「楽しい」「嬉しい」と感じられることがあるうちは、続けてもいいと思います。ただ、その気持ちよりも「つらい」「苦しい」と思う気持ちが大きいようなら、無理をしてまで続ける必要はないかもしれません。あなたの人生を代わりに生きてくれる人はいないので。
- 他人のために尽くすことは素晴らしいことだが、一番大事にして欲しいのは貴方の人生。幸せでない者に、他人を幸せに出来ない。
- この手の仕事で体を痛めると、他の作業にも支障が出ます。悪化の前に、タイミングを見極めて辞めることを勧めます。
- 私の場合は腰痛が原因で退職しましたが、介護士という仕事は色んな悩みを抱えると思います。何が1番大切かと私が思うのは、やはり自身が心身ともに健康でいる事だと思います。それが不可能になってしまう状態であれば退職して違う道を進むのも良い選択だと思います。
- 介護現場は本当にきついので、まずはご自身の健康を大事にしてください。
- 苦手なことはどんな仕事でもあると思いますが、私は体力を消耗して体調を崩してしまったのでそうなる前に自分で判断して決めていけたらと思います。
- 無理に続けないで欲しいです。それが高齢者様に対して虐待に繋がる可能性があるからです。
他の施設を探してみよう(30人中8人)
- 介護は今ではなくてはならないお仕事です。老人、障害者等年齢はさまざまな方と出会い、別れがあります。ですが一番気になる所は給料面です。3Kと言われる仕事なので、辛い事も多いと思います。でも、辞めたからといって、世界が変わる訳ではありません。まずは、人間関係から、上司が良い所を選ぶと良いです。良い上司の所だと働きがいもあり、職員も自然と良い人が増えます。介護は素晴らしい仕事です。無理にそこに留まらず、色んな事業所、若しくは転職して色んな経験をしたら良いと思います。人生、迷っている暇があるなら、何か行動しましょう。やらない勇気より、やる勇気です。
- 施設は色々あるので、変えてみる価値はあると思います。が、人間関係が良いところが、仕事しやすいと思います。
- 変だと思ったことはすぐに確認して、もしも真摯に対応しないようであれば辞めていいとおもいます。介護はどこも人が足りていないので転職先はすぐにみつかると思います。
- どの仕事でも同じ事が言えますが、人間関係で悩む事が多いです。仕事はいくらでもあります。踏み止まって心身を痛めるより、少しでも休んで環境を変える事をお勧めします。
- 働く職場は慎重に選んで欲しいし良く自分の目で確かめた方が良い。
- 腰痛めたり利用者さんとうまくいかなかったりと色々あるかと思いますが福利厚生がしっかりしている施設に勤めてれば問題ないです。
- 利益目的のみの施設なら、先の見通しはないです。施設はたくさんあるので、しっかりとした介護感を持った施設を探したほうがやりがいがあると思います。
- 介護士としての仕事は様々あり、施設ごとにも良さ悪さがあるので悩んでいるなら思いきって飛び出してみて良いと思う。
介護の資格があれば、退職しても潰しがきく(30人中4人)
- 資格があれば、また気持ちが向いたときに働き始めることもできます。自分の体をいたわり、自分の大切にしたいことを諦めなければ、きっとまた良い現場に巡り会えると思います。
- まずは、心も身体も疲弊する職業である事は間違いがないですが、資格取得さえすれば「潰しが効く」ことは間違いないと思います。
- いつでも戻ってこられる業種なので、一旦辞めてみるのもありだと思います。
- 介護士はこれからも必要とされるので資格を持っているならばいつでも戻ってこられるので、若いうちに他の業種で働いてみるのもいいかもしれません。
介護以外の仕事を探してみるのもアリ(30人中2人)
- 介護は正直いつでも、誰でもできる仕事といえばそうなのでやりたいことを優先すればいいと思います
- 介護職はお給料が安いし将来的に考えたら退職も考えてみましょう。
その他(30人中3人)
- 無理して続ける仕事ではありませんが辞めた後は少し寂しさを感じるかもしれないです。
- 人の命を扱う仕事だとしっかり頭に入れて仕事をするべきだと思う。
- 退職しても職場の人は転職後のアドバイスをくれたり、優しく接してくれました。退職してもその後の職場の方の態度が変わることも無いと思いますし新しい体験が出来る可能性が広がると思えば退職も良いと思います。
まとめ|介護士の資格があるので、退職して他の施設を探してみるのもあり
いかがでしたでしょうか。
介護士の資格を持っていれば、次の仕事を探すときに困ることも少ないため、今の職場が合わないようでしたら、一回辞めて、他の施設や、介護以外の仕事をしてみるのもよいかもしれません。
少なくとも、今の仕事が辛くて仕方がないという方は、一旦辞めて、今後の働き方を見つめなおすのもよいのではないでしょうか。
今回の記事が参考になった・ためになったという方は、是非SNS等で周りの方にご紹介いただければ幸いです。
執筆者 ミンタイ|みんなの退職 斎藤